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栃木雪崩事故に登山者目線でおもうこと

山で沢山の尊い命が失われてしまいました

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6234590

残念ながらまた山の事故、それも8人もの死亡者を出すという大事故が起きてしまいました。  

 現場となったのは「那須温泉ファミリースキー場」

familyskiresort-nasu.com

今季の営業は3月20日で終了していたようです。

僕も雪山登山をするので、その目線からこの事故について思うところを書いてみました。

 

 

今回の事故の背景

今回事故を起こしたのは、栃木県内の高校7校による「春山登山」講習で、当初那須岳の登山予定だったものをここ数日の積雪のため予定を変更し、事故現場となった「那須温泉ファミリースキー場」にての「ラッセル訓練」を行っている最中に発生したようです。

訓練は県高校体育連盟が25~27日の2泊3日の日程で主催した春山登山講習で、大田原▽矢板中央(矢板市)▽矢板東(同市)▽宇都宮(宇都宮市)▽真岡(真岡市)▽真岡女子(同市)▽那須清峰(那須塩原市)--の1、2年生や引率教諭ら計62人(生徒51人、教員11人)が参加した。生徒らは各校の山岳部やワンダーフォーゲル部などに所属している。

違和感

個人的に違和感があったのが「ファミリースキー場 」と「雪崩」という言葉。

普通、上級者コースのないファミリースキー場だと雪崩の発生などというのはあまり考えられません。なので、どうしてもこの2つの言葉が結びつかず違和感があったのですが、報道が詳細になるにつれて徐々に理由が分かってきました。

報道によると、事故現場はセンターハウスから山頂方面に500mほど登った第2ゲレンデの上部で起きたらしいです。

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出典:那須温泉ファミリースキー場HP

この画像だとよくわからなかったので、登山で使う国土地理院地図で確認してみたら、この第2ゲレンデの上部というのはかなりの急勾配になっているようです。

同じく、同スキー場のFacebookに画像がありました。

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右端に見えているのがセンターハウス、リフトは第2ペアリフトでしょう。

中央左寄りに小高いピークが見えています。このピークは那須岳ではありませんが、このピークに向かう斜面・・・。かなりの急勾配に見えます。

あの辺りが第2ゲレンデの上部になります。
おそらく事故現場になったのは赤い四角で覆った辺りかもう少し上部になるのかと思います。

地図でみるとこういう感じになります。
矢印先端あたりから急に等高線が狭くなり勾配が急になっているのが見て取れます。

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出典:国土地理院

事故原因は

事故原因は「表層雪崩」と言われています。
実際の現象はもちろんそうなのでしょうが、事故原因はそればかりではないでしょう。

僕が思うところをあげてみます

1.予想以上の積雪 

当日、積雪が30cm近くあったと報道されています。実際、スキー場がクローズしてしまう様な時期に30cmもの積雪の予想はできなかったと思います。

2.スキー場のクローズ

那須温泉ファミリースキー場が現場となって何度もこの施設名が報道されていますが、スキー場は今シーズンの営業終了の状態。
なので、おそらくは普段の状態をよく知り、監視しているスキー場のレスキュー等の方もすでに現場に常駐されていなかったのではないかと思います。
そしてそのためにスノーモービルなどもしまわれてあり、救助も遅れてしまったのではないかと想像します。

3.準備不足ではなかったか?

先程も書きましたが、当初計画されていた登山は那須岳(茶臼岳)で、それが変更になり、積雪の中を雪を踏みしめながら登っていく、ラッセル訓練となったとのこと。

そもそも「春山登山」の計画だったようですので、雪崩対策の装備をしていたのか疑問です。

雪崩対策の装備と言うと、いわゆるビーコン(雪に埋まった人の位置確認)、スコップ(掘り起こす)、ゾンデ棒(雪に棒を突き刺し人がいるか確認する)などの装備があるのですが、これはこれでこの装備を使う訓練を先に行っておかなければならないため、持っていれば良いと言うわけでもありません

直近の「ヤマレコ」などのレポートをみる限り、那須岳(茶臼岳)で雪崩の心配をする必要はなさそうでした。
僕が個人的に山行の計画を立てるにしても「雪崩」の想定はしなかったと思います。

急遽の予定変更で準備が出来ていたかと言うと、おそらくその準備は出来ていなかったのではないかと思われます。

4.中止するべきだった。

 記者会見した県教委の宇田貞夫教育長によると、27日は茶臼岳への往復登山を予定していたが、雪が激しく降る悪天候のため、午前6時に中止を決定した。その後、午前7時半になってゲレンデ周辺で、当初の予定にはなかったラッセル訓練をすることにした。生徒40人と教員8人の計48人が午前8時から5班に分かれて訓練していたが、その途中に雪崩に巻き込まれた。大田原高校の班が先頭で進んでいたとみられる。

強調部。この計画の立て方がそもそもおかしい。

今回の事故は「雪が激しく降る悪天候のなかで中止の判断をしなかった」のが一番の原因です。
県内7校も集まる大きな講習会であったり、全国大会に出るような優秀な山岳部も参加していたこともあるがために簡単に「中止」の決定ができなかったのは想像に難くないですが、捜索が報道されていた午後の映像では地吹雪の状態が映し出されていました。

雪崩の想定以前に、こういう気象状態での登山計画自体、無茶があったと言わざるを得ません。
どうあれ各高校の引率者の判断は甘く、間違っていたと言わざるを得ないでしょう。

県警は引率教員の判断にミスがなかったかどうか、業務上過失致死傷容疑で捜査する方針

これから詳しく捜査、検証が行われると思いますが、今回の事故を大きな教訓として2度とこういった悲しい事故が起きない事を祈ります。

 

 追記)誤字の指摘をいただきましたので修正致しました。ご指摘ありがとうございました。